2016年3月1日火曜日

神戸ファッション美術館「BOROの美学~野良着と現代のファッション~」

  神戸の街のイメージといえば「おしゃれな街」と答える人も多いと思います。
「おしゃれな街」というだけあり、神戸はファッションも有名です。
神戸港が開港して異国文化が暮らしに少しずつ浸透していった結果、異国のスタイルを取り入れたファッションを、神戸はいくつも発祥してきました。例えば、大学生の私たちにもなじみのあるmercuryduo(マーキュリーデュオ)というブランド。このブランドは、レトロと新しいスタイルをミックスした10代から20代の女性に人気の神戸発のブランドです。
 今回私は、そんなおしゃれな街のなかにある「神戸ファッション美術館」に行って来ました。


 「神戸ファッション美術館」は、JR住吉駅から六甲ライナーに乗りアイランドセンター駅で下車してすぐのところにあります。
 美術館の前は静かで時間がゆっくり動いているように見えるきれいな街並みでした。

 「神戸ファッション美術館」には、ベーシック展示やコレクションだけではなく年に4回「ファッション」を多角的な切り口で紹介していく特別展示というものがあります。
 これまでの展覧会では、「ザ・シューズ展」や「世界のファッション~100年前の写真と衣装は語る~」。前回は、「日本衣装絵巻~卑弥呼から篤姫の時代までの日本衣装~」などさまざまな展覧会が行われてきました。
 そして今回行われていたのは「BOROの美学~野良着と現代のファッション~」でした。



BOROとは?

 古くから世界の人々は、限られた手元のわずかな端切れを繋ぎ、重ねて作った衣装などを大切に用いてきました。それを日本では襤褸(ぼろ)と呼ばれ、現在ではこの襤褸(ぼろ)は美のひとつとして世界でも広く知られています。最近ではBORO(ぼろ)としてファッション界でも注目されています。
 今回、学芸員の和田かおりさんに現在行われている特別展示についてお話しをうかがいました。

「今回の『BOROの美学』は、ほとんど借りている作品なんです。田中忠三郎さんという青森の民族学者の方が集められたものや、4人のデザイナーさんに出品していただいています。それぞれ独自の視点を持ってモノづくりをしているデザイナーさんで、BOROというものをどのような美意識で取り上げるかということを提案してもらいました。『こういう思いをもって作ったよ』というのがそれぞれに違っていて、その背景にあるものが全然違うんですよね。じゃあ、『この人はどうしてこれをしようと思ったのだろうって思ってもらえたらいいな』とデザイナーさんと話し合っています」

特別展示を見て、入ってすぐに「布がなくなった世界」つまり資源が少なくなった世界をイメージした子供たちの展示がありました。ボロボロの服を暗闇の中で着ていたその展示は、怖いと思った一方でその世界観に圧倒されました。
しかし、布を繋ぎ合わせて服を再現しているのを見て、布があることの幸せを感じました。
 今回の4人のデザイナーのなかに、keisukekandaさんという方がいらっしゃいます。その方のデザインは、斬新だけどパステルカラーなどの可愛らしい色合いやレースの素材を使ったBOROの見せ方に私は惹かれました。

 また、春・秋などになるとファッションに興味のある学生さんたちも多く訪れるそうです。そのため和田さんは、「春・秋は一般の方々にも触れあえるような展示をしようと心がけています」と語ってくださいました。

特別展示「BOROの美学~野良着と現代のファッション~」は、123日から410日まで開催中です。 
「神戸ファッション美術館」に行くときは特別展示にも注目してみると楽しみが増えるのではないでしょうか。



神戸ファッション美術館
http://www.fashionmuseum.or.jp/



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