2016年2月25日木曜日

1.17のつどい①

まだ月が輝いている117日の明け方。21年前もこんな寒さだったのだろうか…と思いながら私は東遊園地へ向かった。

今から21年前の、1995117546分。神戸のまちを一瞬にして破壊し、多くの人のいのちを奪う出来事があった。淡路島北部を震源地として発生した阪神淡路大震災。震度7を記録し、神戸市を中心に建物の倒壊や火災などの被害を与え、六千人以上もの死者を出した。

それから毎年、震災の発生した117546分に合わせて中央区、神戸市役所の近くの東遊園地では黙祷・献花を行う追悼行事が行われている。震災で身内を亡くされた方、震災を経験した市民の方が集まって竹灯籠に火を灯す。神戸市内各地で追悼行事が行われているが私は今回、初めて東遊園地での追悼行事に参加した。

三ノ宮駅から東遊園地へ向かう道は、まだ朝の5時だというのに多くの人が一つの場所へ向かっていた。まだ静かな街にザッ、ザッ、と響く人々の足音がやけに耳に付いた。
東遊園地の側にあるビルの窓の明かりで作られた「1.17」の文字が見えた時、117日という日は、神戸にとってある意味、特別な日なのだと感じた。



会場に着くとすでに多くの人が集まり、1.17の文字のかたちになるように並べられた竹灯籠に火を灯していた。いつもは「1.17」の文字だけだが、今回からその上に「未来」という文字が加わったそうだ。
報道陣の車やテレビカメラも多く取材をしていて、竹灯籠の灯りと対照的なライトが少し眩しかった。だけど、毎年この行事が行われていることがメディアによって伝えられることは大切なことだと思う。


しばらくあたりを見てまわり、人々の様子を見ていると様々なひとが訪れていた。

「もう21年経つんやなあ。あっという間や。」とつぶやくおじさん。
「きれいだね。」と竹灯籠の火を見つめる子ども。
無言で手を合わせる若い女の人…。

すれ違うひと、手を合わせるひと…その一人ひとりに、それぞれの想い、それぞれの目にした過去にできないような光景がある。日常とはかけ離れた経験をしてきたのだと想うと、何とも言えない複雑な想いだった。



546分を直前に、会場にアナウンスが流れてきた。

アナウンスの言葉は……




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