2016年2月11日木曜日

神戸ファッション美術館

カーテンを開けると、青空が広がっていた。外に出ると日差しが気持ちよく、ポカポカしていて、私の心もウキウキしていた。

なんていったって、今日は人生で初めてのインタビュー取材の日だ。取材先は「神戸ファッション美術館」。緊張は少ししていたが、成功させようという意気込みのほうが大きかった。

そんなことを考えながらバスと電車を乗り継ぎ、住吉駅に到着した。そこから、六甲ライナーで10分ほどゆられアイランドセンター駅で下車し、歩いてすぐ「神戸ファッション美術館」が見えてくる。球体をイメージしたようなおしゃれな建物は、実際見るとすごく大きくて圧倒させられた。

周辺の街並みも川や橋があり、静かで、ここに住みたい気持ちになった。


神戸ファッション美術館は、産業振興と人材育成のためにつくられた、公立では日本初のファッションをテーマにした美術館だ。私は、ファッションについて興味があり、行ってみたい!そしてファッションについてもっと詳しく知りたい!という気持ちから取材を依頼した。


館内に入り、ドキドキしながら待っていると、ショートカットの水色の服を着た女性が現れた。神戸ファッション美術館で学芸員をされている、和田かおりさんだ。早速、話をうかがった。

「もともと小さな頃から、美術館や博物館に行くのが好きだったんです。それで、学生時代に博物館で資料を整理したりすることをさせていただいて、さらに色々な経験を積むなかで、ふと思ったんです。自分にとっては美術館や博物館は身近な存在だったんですけど、身近じゃない人もいるんじゃなかって。じゃあ、大きなことでおこがましいんですけど、色々な背景を持った人と美術館を繋ぐことってどうしたら出来るんだろうって考えるようになりました。地域の人やスタッフと一緒に、展覧会やイベントを通して、美術館が身近な存在になる人が増えていっているとするなら、それはすごくやりがいがあることだなと」

和田さんに最初お会いした時、気さくで笑顔が素敵な人だという印象を受けた。しかし、インタビューがはじまると、表情がガラリと変わり、仕事に対しての情熱が伝わってきた。
和田さんは、美術館の仕事を卒業しても続けたいという気持ちから、展覧会に関する事務の仕事をし、その縁から学芸員になるきっかけを持つことが出来たそうだ。


ファッション美術館の学芸員をしていて、自分のファッションで意識することはあるのかと尋ねた。

「ファッションってすごく色々な意味を含んだ言葉で流行だったり、デザイン性が高いってことだったり、歴史的な意味も込めていったり言葉の意味は広いんですね。一言でファッションっていうと、おしゃれな人っていうイメージもあるかもしれないし、言葉の幅の意味は広いと感じています」

私は日常で見る雑誌の服だけをファッションととらえていて、言葉の意味を考えたことがなかった。この話を聞いたとき、ファッションは一言では表せない深いものだということに気付かされた。

和田さんは、麻の素材のものをなるべく着たり、サマーウールのものだったら季節を問わず軽やかに過ごせたり、物の特性や暮らす地域のことを考えるようになり、生活にあった快適に過ごせるもの、特に素材を意識しているという。


神戸ファッション美術館に来た事ない方へのオススメポイントを聞いてみた。

「ファッション美術館では、展示しているものを見ていただくだけではなくて、実際に手で触っていただいたり、撮影していただけるものも紹介しているので、鑑賞だけでなく体感していただける試みをしています。そして、美術館3階にライブラリーがあるのですが、そこにはファッションをテーマにした雑誌や書籍を38千冊所蔵していて、理解を深めたり疑問を解決したり、もっとファッションを楽しんでいただくことができるとおもいます」

色々楽しんじゃいました♪

国内美術館初!バーチャル試着体験

民族衣装試着体験

地方出身の私は大学進学と同時に神戸に引っ越してきた。引っ越す前から神戸はおしゃれな人が多いし、街並みも綺麗というイメージだった。
これはどこからくるのか。和田さんの視点が気になって聞いてみた。和田さん自身は、生まれは西宮で大阪で育ち、中学生から神戸に住んでらっしゃるという。

「神戸港が明治時代になって開港してそこからのことだと思うんですよね。開港することによって、外国の方が来られて衣料品、食べ物、生活の仕方も文化も入ってきますね。そして、生活の中に交流が生まれますよね。生活のスタイルも畳が床になったり、扉が押して開くようになったり変化が生まれます。そして、大阪で働く人が住む場所になり、その中でいち早く洋風なものを取り入れたことによっておしゃれなものがつくりだされていったということがあると思うんです」

神戸がおしゃれの代名詞として語られるようになった背景には、歴史的な背景があるからだと知った。海を渡って、衣食住の文化を取り入れていった結果、今の神戸があるのだと感じた。


今回の取材で感じたことは、ひとつのことにさまざまな背景があって出来上がっているのだということだ。展覧会全体や作品ひとつにしても、それぞれの人の思いや苦労、全部が詰まってのものであり、それを人々は感じ取って新しい考えを吸収していくのだと思う。

また、「ファッション」という言葉を広い意味で見ることが出来るようになった。雑誌で見るような服だけでなく、デザイナーさん自身が販売しているサイトを見たり、服を見る幅を広げようと思った。


Webサイト(神戸ファッション美術館)
http://www.fashionmuseum.or.jp/





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